学会について
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本学会について
「日本鉱物科学会」は、鉱物や岩石およびそれらをキーワードとした様々な分野の学問の発展と普及を目的とした、社会と学術界から信頼される開かれた学術団体です。2007年に「日本岩石鉱物鉱床学会」と「日本鉱物学会」が合併して発足し、2016年に一般社団法人化しました。元々、日本岩石鉱物鉱床学会では、岩石学、鉱物学,鉱床学,およびこれらと密接に関連した諸科学の発展と普及を目的とした研究等が行われておりました。また、日本鉱物学会は、元来、日本地質学会の一部として活動をしておりましたが、鉱物学のさらなる進歩・発展のため、日本地質学会から独立をし、鉱物学の基礎的テーマに加え、鉱産資源やセラミックスに代表される無機材質など応用分野での最先端の課題や社会的テーマにも取り組んできました。日本岩石鉱物鉱床学会と日本鉱物学会の合併により、学術雑誌(和文誌・英文誌)の刊行や研究集会の開催などの学会活動の拡充や、学術領域の拡大が進められてきました。年に1度の年会(成果発表会)では、地球外物質や火山、環境問題など、従来の岩石学・鉱物学の分野を超えた様々な視点からの討論が繰り広げられています。そのほか、講演会や一般普及を目的としたイベントや行事の企画・開催にも力をいれています。
また、当学会は、International Mineralogical Association (IMA) の日本代表団体、日本地球惑星科学連合(JpGU)の団体会員、日本学術会議の協力学術研究団体で、モンゴル資源地質学会との交流協定も締結するなど、国際的にも認知された学術機関となっています。
沿 革
2000年に前身学会である「日本鉱物学会」と「日本岩石鉱物鉱床学会」のそれぞれの学術雑誌が統合され、『岩石鉱物科学』と『Journal of Mineralogical and Petrological Sciences』が発刊される。
2007年9月に「日本鉱物学会」と「日本岩石鉱物鉱床学会」が統合され「日本鉱物科学会」が設立。
2016年9月1日に法人登記が完了し、「一般社団法人日本鉱物学会」が設立。同年9月24日に行われた任意団体最後の平成27年度総会において、同年9月30日付で任意団体日本鉱物科学会を解散し、10月1日付で日本鉱物科学会残余財産及び会員を一般社団法人日本鉱物科学会へ移行することが承認される。
学会統合以前の年会の様子
前身の「日本鉱物学会」について
学会創立以前の我が国の鉱物学者は、主として「日本地質学会」で活躍していました。しかし、本邦の鉱物学の進歩のため、および世界の同学の士とともに鉱物学の発展向上に貢献するためには、独自の学会の設立が必要という気運が次第に高まりました。
そこで1951年4月、京都で開かれた日本地質学会の折りに夜間小集会を開き、鉱物学者の緊密な連絡のもと、物理学者や化学者とも共同して研究を進め、知見の統一を図ることが話し合われました。しかし、鉱物学は地質学と密接な関係にあるので、日本地質学会の部会として発足するために努力することになり、その発起人として、伊藤貞一、渡辺武男、須藤俊男、片山信夫、柴田秀賢、田久保実太郎、大森啓一、吉村豊文、原田準平の9氏が選ばれました。同年10月、発起人会が作成した部会としての会則案が日本地質学会評議員会で承認され、翌年4月、大分で開かれた同学会総会で部会として承認されました。そして1952年6月9日、東京大学理学部二号館講堂において、部会としての創立総会が開かれました。発足当時の会員数は127名でした。部会としての発足とともに、会誌の発行が企画され、1952年9月に和文誌『鉱物学雑誌』が、1953年9月に英文誌『Mineralogical Journal』が創刊しました。
その後1955年6月3日の総会において、当学会を日本地質学会の部会ではなく、「日本鉱物学会」とする決議を行い、以後、独立した学会として基礎的テーマはもとより、それぞれの時代における最先端の課題や学際的なテーマに次々と取り組みつつ活発な学術活動を行ってきました。
前身の「日本岩石鉱物鉱床学会」について
日本岩石鉱物鉱床学会(The Japanese Association of Mineralogists, Petrologists and Economic Geologists)は、岩石学・鉱物学・鉱床学およびこれらと密接に関連した諸科学の発展と普及を目的として、1928年10月に神津俶祐氏を初代会長として創立されました.その頃、日本においては岩石・鉱物・鉱床等を地質学的のみならず物埋・化学的な手法によっても研究しようとする気運が高まっていました。当時そのような分野で多くの先駆的研究を行い中心的役割を果たしていた神津俶祐氏が同志とともに設立したのが、同学会の始まりです。以来、統合するまで79年にわたり、会誌その他の出版物の刊行、学術講演会の開催、各種学術集会・シンポジウムの共催、研究奨励賞や論文賞などの表彰を行って行ってきました。
1929年に月刊誌として会誌「岩鉱」(Journal of Mineralogy, Petrology and Economic Geology)」を創刊して以来、2000年3月まで刊行してきました。「岩鉱」は、外国からの投稿も多く、日本国内で発行されている固体地球科学分野の雑誌のなかでも、国際的に引用される度合の最も高い雑誌の一つとなり、岩石学・鉱物学・鉱床学ならびに関連諸分野の発展に大きく寄与してきました。2000年4月、それまで細分化、専門化されてきた各分野を総合的・有機的に捉え、地球科学の原点に戻り広い視野から関連諸問題の本質解明を目指すために日本鉱物学会と共同で「岩石鉱物科学」と「Journal of Mineralogical and Petrological Sciences」を発行するに至りました。