学会について
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一般社団法人日本鉱物科学会 会長 井上 徹
2024年9月末より2年間,会長を務めさせていただきます広島大学の井上徹です。
日本鉱物科学会は,1928年に設立された「日本岩石鉱物鉱床学会(”岩鉱学会”)」と,1952年に設立された「日本鉱物学会(”鉱物学会”)」が2007年に統合して設立されました。2016年には一般社団法人となり,現在,常時800名を超える会員を擁しています。
本会の主な活動は,(1)学会誌の刊行(和文誌「岩石鉱物学雑誌」,英文誌「Journal of Mineralogical and Petrological Sciences」など),(2)学術大会,総会,講演会,研究集会の開催,(3)研究奨励および表彰などです。これらの活動を通じて,鉱物学および関連分野の発展と普及に努めています。
この2年間で事務局が外部委託されるなど大きな変化がありましたが,前執行部,理事,幹事の努力により,運営体制は軌道に乗ってきています。この体制を継続し,今後さらに開かれた活発な学会にしていきたいと考えています。
ところで,最近,どの学会でも会員数の減少が話題になっています。日本鉱物科学会でも,2022年まではその傾向が続いていました。ところが2022年から会員数は増加に転じ,特に若い会員の増加が顕著になっています。2024年9月に名古屋大学で開催された年次大会,総会,懇親会でもその活気を実感しました。この傾向を嬉しく思い,日本鉱物科学会には大きな可能性があると感じています。学会の最も重要な活動の一つは,年次大会や懇親会を通じた人的交流であり,日本鉱物科学会でもこの重要な機能が有効に働いていると感じています。
私が鉱物科学会と関わりを持ったのは,1988年に(当時大学4年生)岐阜県中津川市で開催された第1回YMOサマースクールに参加したことがきっかけでした。このイベントに参加したことで,多くの仲間と出会うことができました。そして翌年の1989年に日本鉱物学会に入会しました。私が初めて入会した学会でした。私はこのような活動の重要性を実感していますので,今後も若い人たちに提供していきたいと考えています。また,将来を見据えて,ジュニア会員やアマチュア会員などの設置も検討していきたいと考えています。
本会の活動は受益者負担の考え方に基づき,会員の皆様から徴収した適正な会費や論文投稿料によって賄われています。しかし,営利を目的としない団体であるため,運営や活動に充てられる資金は限られており,新たな活動を行うことは困難な状況です。学会ホームページの右上に「寄附のお願い」を設置しております。学会活動の推進のため,皆様のご支援とご寄附を賜りたく,何卒よろしくお願い申し上げます。
それでは今後2年間,どうぞよろしくお願いいたします。